素材豆知識

体につける装飾品の素材については、金属アレルギー等の問題で、気にしておられる方が多いと思います。
そこでボディーピアスに用いられる素材に付いての豆知識コーナーを設けました。
是非参考になさってください。
素材の名称 解説
医療用ステンレス(サージカルステンレス)
一般的に医療用のメスやはさみ、ボルトに使用されるステンレスのことです。
JISに医療用ステンレスという範疇はありませんが、多くは…
SUS316L,316LVM
SUS420J2,431,440
SUS630等があげられます。しかしながら、この型式が即医療用ステンレスというわけではなく、この中から極力ニッケルを除去した物が医療用として用いられます。
即ち、医療用のSUS316Lと言う具合です。
SUS316L
ボディーピアスに最も多く用いられる素材で、ステンレスの中でも耐食性の高いものです。
e-pierceのピアスは医療用SUS316L以上のグレードのピアスを取り入れています。
SUS316LVM
SUS316Lより更に耐食性の高いステンレスがこのSUS316LVMになります。
JISにはこの規格は無く、エラスティール社(鋼材メーカー)の型番が慣習的に用いられているようです。
(ヨーロッパでは生体埋め込み用ステンレスとしてSUS316LVMが指定されていますが、工業用と医療用とで区別する必要があります)
俗称 JIS規格呼称 ASTM(米)呼称 EN規格呼称 ニッケル含有率(%)
SUS316L SUS316L SUS316L X2CrNiMo17-12-2 10〜13
SUS316LVM - SUS316L X2CrNiMo18-14-3 12.5〜15
某医療材料メーカー
ミルシート
メーカ呼称
SUS316LVM
DIN
X2CrNiMo18-14-3
0.35%

1)日本にはSUS316LVMと言う規格はありません。
2)EU諸国では316と316LVMを明確に区分していますが、アメリカでは同一とみなしています。
3)316と316LVMでは、LVMの方が工業規格の範囲ではニッケルの含有率が高くなっています。

総じて、SUS316LVMと言うだけではインプラントには適さず、生体埋め込み用として作られたものでないと使用できません。
ちなみにヨーロッパではEU Nickel Directive と言う機関の基、医療用ステンレスのニッケル含有量を厳しく制限し、これにパスした材料でないとピアス材料や医療材料として販売できないようになっています。

e-pierce
では医療用SUS316LVM製も積極的に取り入れ、SUS316LVMのものは材質を明記しています。

インプラントグレード金属
人間の体内に埋め込んでも支障の無いような金属を言います。
上記の医療用ステンレス製(生体埋め込み用SUS316LVM)もありますが、一般的には
チタンを指します。
チタン(タイタニウム)
Ti6Al4Vというチタン合金(USA ASTM規格を流用し、Grade5(G5) Grade23(G23)と呼ばれています)が主流です。純チタンなどと歌われている場合がありますが、現実的には純チタンで使用されるケースは殆ど無く、合金で使用されます。
参考規格
アメリカ
ASTM規格
日本
JIS規格
俗称 特徴
Grade5  (G5) 60種 Ti6AL4V 高圧容器や生体材料
Grade23 (G23) 60E種 Ti6AL4V ELI 同上で極端に材料の偏析やクラックの少ないもの

チタン合金は、医療用だけではなく、原子炉や熱交換器部品にも多く使われますが、ニッケルを含んでいませんから生体に対してアレルギーが発生しません。現存する金属の中で最も人間の体に対する耐アレルギー性が高く、耐食性も優れています。
又、ステンレスに比べて重さは約半分、強度は2倍の強さです。
体内に埋め込んでいてもMRIに反応しないのも特長のひとつです。
ピアス素材としては未だ少なく、デザインの良いのも少ないのが現実です。
e-pierceでは、極端にアレルギーの高い人のために、チタン製品を取り入れています。

ニッケルフリーステンレス
ピアスの素材としてチタンは最適ですが、高価な為、チタンの代替材料として開発された(ニッケル含有量0.05%以下)合金(ステンレス)です。
EU諸国ではピアス材料や生体材料として使う場合、EU Nickel Directiveにパスした物しか販売する事ができません。
UK WILDCAT社では、インプランティウム(Implantium)と言うブランド名で取り扱いしています。
※WILDCATではImplantiumというブランド名を使っていますが、他社ではブランド名が無いものもあります。
EU諸国ではピアス、ボディーピアス素材としてEU Nickel Directiveという監視機関の合格を得たもので無いと認められませんから、
Implantiumというブランド名にこだわる必要は無いでしょう。
チタンコーティング
ステンレス基材にチタンをコーティングしたもの。
チタン同様、耐アレルギー製は高いです。
チタンの表面を特殊な酸化処理によって発色させたものが多く出回っていますね。
耐アレルギー性はチタン同等ですが芯がチタンではないので、総チタン製に比べると重たくなります。
窒化ジルコニウム(ZrN)コーティング
何らかの基材に窒化ジルコニウムをコーティングした物
チタン同様、耐アレルギー性は高いです(→wildcat ZirconGold
ニオビーム(ナイオビーム)コーティング
チタンの発色させたものと混同されるのがニオビーム。
これもステンレス基材にニオビーム(niobium)をコーティングし発色させたものです。
ニオビーム自体は、チタンと同じくらいの耐アレルギー性があるといわれていますが、今のところ明確な判断は出ていません。ファッションとして捉えたほうが良いかもしれません。
14K〜18K GOLD
古くから耐アレルギー性の高いピアス素材としてGOLDが利用されてきました。
GOLDにも14K、18K等があります。
18K GOLD
ピアス素材としては一般的に出回っていますね?
純度も高く、耐アレルギー性も高いと言われています。
装飾性も高いのがメリットのひとつ。

しかし、ボディーピアス素材としては曲がりやすく、強度が低いのが難点です。
14K GOLD
18Kよりも純度は低いですが、強度が高いため比較的ボディーピアスには適していると思われます。
e-pierceで扱うGOLD製品は、14KGOLDのものを採用しています。

14K、18Kいずれにしてもアレルギーが出ないとは言えません。ニッケルをわずか含有するからです。
ニッケルを含有しないホワイトゴールドであればアレルギーは出難いといえますが、他の金属がアレルゲンとなる人もありますのでご注意ください。
やはりアレルギーに対して最も信頼性の高い素材は
チタンだと言えます。
コーティング
一般的にGOLDでは無く、ZrN(窒化ジルコニア)のコーティングを指します。
メッキではなく、コーティングですから密着力は高く剥離し難いと考えられます。

WILDCATのZirconGoldはG23チタン基材にZrN(窒化ジルコニア)をコーティングしたものです。

基本的にGOLDでは無いので、お間違えの無いよう。

金メッキ
装飾品としては金メッキが多く用いられます。ボディピアス素材としては…あまり聞いたことは無いですが不適です。メッキゆえ剥離の可能性があるためです。
シルバー
ピアス自体、シルバー製のものも良く見かけます。
しかしながら耐アレルギー性が低く、皮膚に異常をきたす方も多いようです。
又表面が変質しやすく、そういう意味でもシルバーのピアス本体への適用には疑問が残ります。

e-pierceでシルバー製品は、チャームのみ、あるいはピアスの飾り部分のみシルバーのものを採用しています。
ピアス本体だけではなく、飾り部分のシルバーでもかぶれる方が居られます。
シルバー部分のあるものについてはHP上で適宜表示していますので、ご確認下さい。
UV アクリル
その名の通り、アクリル製のピアス。
太くなっても軽く、安価なのが特長。色合いも色々です。
ただ、滅菌できず、水分を吸収しやすいことからピアスホールの不安定な時期にはお勧めできません。

e-pierceでアクリル製品を扱う予定はございません。